「自宅の屋上をリゾートのような空間にしたい」
プライバシーが守られ、開放感あふれる屋上プールは、多くの建築主にとって憧れの設備です。
しかし、屋上へのプール設置には、地上とは異なる厳しい技術的ハードルが存在します。荷重による建物への負担や、階下への水漏れリスクなど、クリアすべき課題は少なくありません。
とはいえ、これらは決して不可能なことではなく、屋上に適した最新のシステムと工法を選べば、リスクを最小限に抑えて実現することは十分に可能です。
本記事では、屋上プール設置において必ず押さえておくべき技術的な課題を整理し、それらをクリアして安全に実現するための「工法の選び方」について解説します。
屋上プールの設置における技術的ハードル
屋上プールを計画する際、建築構造上ネックとなりやすいのが重さと水漏れの2点です。まずはこのリスクについて正しく理解する必要があります。
水+躯体の荷重問題
プール設置においてシビアなのが重量の問題です。
水は1㎥あたり1トンもの重量があります。例えば、幅3m×長さ6m×深さ1.2mのプールを作った場合、水だけで約20トン以上の負荷がかかることになります。
これに加えて、プールそのもの(コンクリート躯体)の重量が加算されます。一般的な木造住宅ではこの荷重を支えきれないケースが多く、屋上プールを計画する場合は、最初から鉄骨造や鉄筋コンクリート造(RC造)で建物を設計するのが一般的です。
また、鉄骨やRCであっても、昔ながらの重いコンクリートプールを載せるとなると、梁や柱を太くする大規模な構造補強が必要となり、建築コストが跳ね上がる要因となります。
絶対に避けたい階下への水漏れリスク
もう一つの大きな課題が水漏れです。
庭のプールなら多少の水漏れは土に染み込むだけで済みますが、屋上プールの場合、真下にはリビングや寝室などの居住空間があります。万が一水漏れが起きれば、家財への被害や建物の腐食に直結するため、絶対に避けたいところ。
特にリスクが高いのが、プール本体のひび割れだけでなく、循環システムの配管からの漏水です。
従来型のプールでは、水をろ過するために長い配管を這わせる必要があり、地震の揺れや経年劣化で配管の継ぎ目から水が漏れるリスクが常につきまといます。屋上設置においては、この見えない配管からの漏水をいかに防ぐかが重要になります。
屋上設置を成功させるための工法の選び方
では、これらのハードルを乗り越えるためには、どのようなプールを選べばよいのでしょうか。屋上設置を成功させるための重要な視点は以下の2点です。
建物への負担を減らす軽量化の視点
屋上に作るなら、昔ながらの現場打ちコンクリート工法は避けるのが無難です。
現場で型枠を組み、コンクリートを流し込んで作るプールは非常に重く、建物への負担が大きすぎます。
おすすめなのは、強化プラスチックや特殊パネルなどを組み合わせるパネル工法や、防水シートを使用するライナー工法です。これらはコンクリートの塊を作るよりも遥かに軽量で、建物の構造計算上のハードルをクリアしやすくなります。
限りある屋上スペースを活かす省スペース設計
屋上空間は、意外と自由に使える面積が限られています。エアコンの室外機、避難ハッチ、手すり、ペントハウスなどが場所を取るためです。
ここで注意したいのが機械室の存在です。
従来型のプールシステムでは、プールとは別に畳数畳分の機械室スペースが必要になります。限られた屋上に機械室を置くと、せっかくのプールサイドが狭くなったり、BBQスペースやラウンジチェアを置く場所がなくなったりしてしまいます。
機械室が不要なタイプを選ぶことは、屋上を広く有効活用するための必須条件と言えるでしょう。
屋上の課題を技術で解決するマジラインプールの強み
「荷重を抑えたい」「水漏れリスクをなくしたい」「場所を取りたくない」
こうした屋上特有の技術的課題を解決し、多くの屋上プールで採用されているのが、フランス生まれのマジラインプールです。
なぜマジラインプールなら屋上設置が可能なのか、その構造的理由を解説します。
① 機械室・配管不要によるリスク回避と空間活用
マジラインプールの大きな特徴は、ろ過装置やポンプをプール本体の壁の中に収める「躯体一体型ろ過装置」を採用している点です。
機械室が不要:
別途、機械室を建てる必要がないため、貴重な屋上スペースを占有しません。浮いたスペースをデッキや植栽に回せるため、空間設計の自由度が格段に上がります。
配管リスクの排除:
ろ過機とプールをつなぐ複雑な配管が不要です。これにより、屋上設置で避けたい配管の継ぎ目からの水漏れのリスクそのものを、物理的に排除することができます。この構造は、建物への安全性を確保する上で非常に大きなメリットとなります。
② 屋上にも設置しやすいモジュラー構造
マジラインは、87の国際特許を取得したモジュラー構造(組み立て式パネル)でプールを作ります。
厚さ25cmの強固な躯体でありながら、中空構造のパネルにコンクリートを充填する方式のため、従来の総コンクリート製プールに比べて軽量化が図れます。
建物への荷重負担を軽減できるため、構造計算をクリアしやすく、耐震性の観点からも屋上設置に適しています。また、部材がコンパクトで搬入もしやすいため、重機が入りにくい都市部の現場でもスムーズに施工が可能です。
マジラインプールの屋上設置事例
海と空に繋がるインフィニティ空間

高台のロケーションを活かした開放的な事例です。自由設計により敷地形状に合わせた施工が可能で、まるで海と一体化したようなラグジュアリーな体験を叶えています。
市街地を一望する屋上リゾート

都心のビル屋上に設置された事例です。機械室が不要なため、限られた面積でも十分なデッキスペースを確保できています。
成功の鍵は、屋上に適した工法を選ぶこと
屋上プールの実現において重要なのは、建物の構造に無理をさせない工法選びです。
地上用の重厚なプールをそのまま屋上に載せるのではなく、軽量化とリスク対策が考慮されたシステムを選ぶことで、安全性とデザイン性は両立できます。
特にマジラインプールのような機械室・配管不要のシステムは、荷重負担を減らし、水漏れリスクを物理的に回避できるため、屋上設置における合理的な選択肢と言えます。
まずは、計画中の建物の構造条件や屋上の広さに合わせて、どのようなレイアウトが可能か、相談しシミュレーションを行うことから始めてみてはいかがでしょうか。
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