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プールをつくるときに知っておきたいポイント

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プールをつくるときに知っておきたいポイント

①プール会社選定の重要チェックポイント

その前に、掲載写真とコスト(見積)だけで絶対に決めないで!

最近、日本では家庭用のプールを取り扱う会社が数多く参入してきています。

さまざまな国のプールメーカーの商品が輸入販売されています。

国別では、フランス・アメリカ・オーストラリア・スペイン・中国などです。

どこのプールメーカー・プール会社を選定して良いか迷ってしまいます。

まず、最初にお伝えしたいのは、

安易にプールメーカー・プール施工会社を決めない事!!

ホームページに掲載されている素敵なプールの掲載写真を見て簡単に決めないで!

何社から集めた見積もりの中から値段だけで決めないで!

プールメーカー・プール会社からたくさんの見積をとって、

比較検討するのは良いことだと思いますが、

絶対にホームページが素敵でコストが安いというだけで安易に決めないでくださいね。

 

さっそく、プール会社選定の重要チェックポイントを一緒に研究していきましょう。

◆ 必ずチェックしたい「重要8項目」 ◆

01 保証

現在、日本国内で供給されている家庭用プールのほとんどが海外製品です。

日本国内で対応できる製品・施工の保証内容や保証期間は必ず確認してください。

一般的にろ過機やポンプ、水中照明、お掃除ロボットなどの機械は故障することがあります。

日本国内で修理等の対応してくれる製品保証が付いているか確認しましょう。

ECサイトなどで安く購入したが、半年ほどで故障してしまい、

修理を依頼したが修理してもらえなかったなどの話は良く聞きます。

中には、保証は付いているものの、プール部材だけを販売している会社や、

輸入代行だけ行っていて商品を届けておしまいのような会社もあります。

高価な買い物なので保証と合わせて工事を行ってもらえるかもとても大切ですね。

よくある問い合わせでは、プールを購入した会社と連絡が付かない。

会社が倒産して修理やリニューアルに対応してもらえないなどの話があります。

プールとは10~30年と長いお付き合いをすることになります。

しかも工事が伴うものです。企業として体力のある会社で長いお付き合いができるかも大切です。

 

02 アフターメンテナンス体制

プールのろ過機やポンプ、水中照明、お掃除ロボットなどは機械ものです。定期的に点検や故障をしたら修理を行います。

その際にプールメーカーやプール施工会社がしっかりとしたメンテナンス体制が整っているかを確認しましょう。

点検や修理を行ってもらいたいが知識や経験、技術が備わっていない会社もあります。

建物もそうなのですが、

完成してからのアフターメンテナンスが一番大事だと思っています。

将来かかるメンテナンス費用などを前もって知識として与えてくれる。

相談窓口があって、親切に対応してもらえる会社は安心できますよね。

また、施工会社が遠方で連絡してもすぐに来てもらえない。

修理をしたいけど輸入製品なので部材や部品がすぐに手に入らない。

消毒殺菌の為の塩素タブレット薬剤などの消耗品も簡単に手に入らない。

プールメーカーや販売店が安定供給してもらえるかも確認をしておきましょう。

完成後のトラブルにならないように注意が必要ですね。

 

03 施工技術と施工実績・経験

最近は、ホームページで実態が不明な広告を行っているように感じるサイトが増えています。

実際には施工実績や販売実績が無いのに、あたかもプール会社としてプロのふりをして営業をしているように思えます。

プール工事の実績が乏しい施工会社が、工事を行いトラブルになったケースをよく聞きます。

特に、プール構造体や防水性能の施工は、技術力を持ち合わせていないと、沈下事故や漏水事故などにつながる可能性が高いです。

プールは、完成して水を入れると数十トンの重さになります。

その荷重がしっかり受けられるような土地であるか、

またプールを設置するにふさわしい環境であるかなど、経験値がものを言います。

また、プール工事は、建物やプールサイドなどの外構工事とも深く関係をしていきます。

プールだけ造れる知識だけでなく、関連する工事との取り合いを理解できていて、

しっかり情報共有ができるかがポイントになります。

プールメーカーやプール施工会社が、日本でどれくらい実績があるのか、

施工技術の信頼性は高いのかなど、専門家や設計事務所などに相談してみると良いと思います。

ネット情報では、正直信用できない部分もありますよね。

 

04 コスト

コストには大きく分けて、初期費用のイニシャルコストと維持管理費用のランニングコストがあります。

プールに関しては、とても長い年月を共にします。初期費用も維持管理費も両方のコストが重要になってきます。

そこでプール会社からもらった見積もりが安いからと言って安易に決めてしまうと取り返しがつかない事態に陥ってしまいます。

そもそも、受け取った見積書はプール部材と工事費も含まれているのか。

年間にどのくらいの維持管理費が必要なのか。

将来5年後、10年後までにどのようなメンテナンスを行わなければならないのか。

など住宅ではありませんが長期修繕計画なる説明を受けるようにしましょう。

初期導入費用が安かったけど、結局専門業者による高いメンテナンス契約をして、

10年後には高い買い物になってしまったケースもあります。

その分をデザイン性や性能の良い部分に投資したほうが正解であることもあります。

今後は別荘や施設などは、遠隔でプールの状態がわかるインテリジェントシステムが当たり前のように標準装備される時代がきます。

その時に将来を見据えて拡張幅があり、先進の技術を採用することができるプールメーカーなのかも大切になってくるでしょう。

将来性があるプールメーカーや施工会社かを見極めていきましょう。

 

05 維持管理・メンテナンス性

かつては、プールと言えば、購入価格が高い、維持管理費が高い、清掃管理が大変という三重苦をよく耳にしました。

しかし、現在は、プールの水を抜いてデッキブラシでこすって清掃することは皆無に近く、

製品にもよりますがろ過性能が非常に高くなり手間がかからなくなっています。

とはいえ、現在メンテナンスフリーのプールは存在しません。ある程度自動化は出来ますが、

必要最低限のメンテナンスを行うことが大切です。

日常のメンテナンスを行うのに専門業者でないと行えない。

メンテナンスに要する時間がとても長く大変である。

プールメーカーや施工会社を選ぶポイントとしては、シンプルなシステムと構造でセルフメンテナンスができることでしょう。

そして、別荘などはメンテナンスを代行して請け負ってもらえるサービスなどの用意があり、

安心して利用できるサービスを提供してもらえるかなども選定のポイントになります。

施設では、維持管理やメンテナンスについて、プール管理スタッフに対して、

親切丁寧に一緒に管理体制を作ってくれる会社が信頼できお勧めですね。

今後プールに求められることは、プールを使用する夏の時期だけ水が透明で泳げれば良いという発想から、

プールを使用しない時期でも水景として観て楽しめるプールとしてオールシーズン常に水が透明であることが求められています。

いかにプールオーナーにとってメンテナンスが負担にならない商品を選定するかが重要になるでしょう。

 

06 ろ過性能

最近の家庭用プールは、泳ぐことは当然ではありますが、

観て楽しむ水景としてのプールであることも条件になっています。

その際にとても大事なのが、常にきれいな水を維持することです。

きれいな水を維持するために重要なのが汚れた水をろ過するろ過器設備です。

プール内の水を循環させる動力としてポンプを使用します。

水が循環している系統にろ過設備を組み込みます。

ろ過方式には大きく二つの方式があります。

砂ろ過方式とフィルターろ過方式になります。

プールメーカーによってろ過方式が異なってきます。

砂ろ過方式は、イニシャルコスト的に導入しやすい価格ですが、

設置スペースを確保する必要があることと、

定期的に専門業者によるメンテナンスが必要となります。

通常は委託契約を結び清掃と点検を行わなければなりません。

フィルターろ過方式は、掃除機と同じような筒形のフィルターを

オーナー自身でメンテナンスができるものが多いです。

メンテナンスの頻度は多くなりますが、シンプルでランニングコストは抑えられます。

一般的にはシャワー水で洗い流してフィルターを再利用するタイプが多いです。

また、省スペースタイプでシンプル構造なのが特徴になります。

小型プールとの相性は非常に良いと感じます。

ろ過方式は、イニシャルコストはもちろんですが、

ランニングコストに大きく影響が出てきます。

安易にイニシャルコストが安いシステムを選択せずに、

初期導入の際に長く使用することを前提に慎重に選びましょう。

 

07 プールの構造体

プールの構造体は、在来コンクリート方式、パネル方式、モジュールパネル方式、

FRP方式などに分けられます。

在来コンクリート方式は、構造計算により鉄筋コンクリート造の躯体を設計して、

型枠のなかに鉄筋とコンクリートを充てんして強固な躯体をつくります。

パネル方式は、鉄板などで壁を立て土圧と水圧でバランスを保たせる方法で、

比較的安価で造れますが、地震等の外力に不安を感じさせます。

モジュールパネル方式は、ポリプロピレン製のブロック部材を組み立てて鉄筋と

コンクリートを充てんする方法で、非常に短期間で造ることが可能です。

FRP方式は、工場で生産したものを搬送して据え付けるので、現場での作業時間は

かなり短縮できます。大型の物は分割して現場で溶接加工を行うものなどがあります。

プールメーカー各社、強度はもちろん、耐久性、施工性、デザイン性などが異なりますので、

重要なコストと合わせて好みに合った仕様を選択しましょう。

構造体によって、仕上げ材の選択肢も絞られてきます。

構造体と仕上げ材との関係性も含めて最終的にどのようなプールを完成させるかを考えていくことが大切です。

 

08 防水性能

プールにとって水を漏らさないことが大前提です。プールは常に漏水という問題を抱えてきました。

老朽化してメンテナンスが行き届かないと漏水リスクが高まると言われています。

新築時に漏水しないのは当然のことで、経年劣化して漏水が発生しても修繕が容易に対応できることが大切です。

修繕やリニューアルにコストがかかるものの避けられてきました。

プールメーカーにより様々な防水工法が開発されています。アスファルト防水、PVCライナー防水、FRP防水、

塗装防水などが主にあげられます。根強い人気の防水工法が二つあります。

ひとつ目は、アスファルト防水工法です。信頼性の高い防水工法で、手間と工期、

価格はかかりますが仕上げ材にタイルや石材などを張ることができ、デザイン性が高いプールを完成させることができます。

メリットは、仕上げに高級感がありデザイン性の高い素材を選択できるところです。

デメリットは、地震などで躯体にクラック(ひび割れ)が発生すると、仕上げ材も同時に

割れてしまい、かつ漏水を起こす可能性がも高いです。その際に補修工事を行いますが、

漏水を止めるのに難易度が高く、工事費も高額になる可能性があります。

ふたつ目は、ロール状の塩ビシートを溶接加工するPVCライナー工法です。

熱溶接を行い防水するもので、ヨーロッパでは主流となっています。

メリットは、仕上げと躯体とが水圧で密着されていて、万が一地震などで躯体にクラックが入っても躯体と仕上げのPVCライナーと縁が切れているので、

PVCライナーに亀裂が入りづらく、漏水する可能性が低いことです。

デメリットは、塩ビシートなので、例えば鋭利な突起物などがPVCライナーに当たってしまうと破れてしまいます。

ただし、万一破れて漏水した場合には、PVCライナーを補修して漏水を止めることが比較的簡単にできます。PVCライナー工法は、施工技術が要求されます。

施工会社さんに熟練工の職人さんがいるかのチェックが必要ですね。

 

以上、必ずチェックしたい「重要8項目」です。

01 保証を確認する

02 メンテナンス体制がしっかりしているか

03 施工技術と経験は十分か

04 コストはどのくらいか

05 維持管理は大変でないか

06 ろ過性能の比較をする

07 躯体構造を理解する

08 防水性能は問題ないか

 

最後のまとめです。

一昔前は、プールを購入して楽しんだものの、プールのメンテナンスが大変、維持費も高いで、水を抜いてしまい利用されなくなったプールが多くみられました。

現在は、ろ過性能の高いろ過機が増えてきてメンテナンスも簡単で維持費も負担にならないプールが登場してきました。

まだ高価な商品ではありますが、身近にプールを楽しめるような時代になってきたと感じます。

もともと日本人はプールを泳ぐものとした概念が強いのだと思います。

島国の日本的な発想なのだろうと思います。

日本にはお風呂文化はあるがプール文化はなかったのです。

例えばフランスでは、家族と過ごすサマーバカンスをどれだけ楽しくするか!

家族や親しい友人と多くの時間を過ごす海外の方の発想は、

マイホームでどれだけ楽しく過ごせるか、過ごすためにはどうするか。

海外の家庭用プールは、泳いでスポーツをするためのプールではなく、

その目的のほとんどは、家族や親しい友人たちと愉しむためのプールなのです。

家族や親しい友人たちとプールサイドでバーベキューやパーティーをする。

プールサイドでお気に入りの本を読む。

woman reading and relaxing near luxury swimming pool

水面にプカプカと浮かんでくつろぎの時間を楽しむ。

水景として水の揺らぎや煌めきを観ながら、

お気に入りのドリンクを片手に優雅な時間を過ごす。

健康維持のために泳ぎたい、

ただ憧れていたから、差別化したいから、

プールを持つことがステイタスと感じるからなど、

所有する目的は様々だと思います。

プールメーカーとプール施工会社が絞れてきたところで、

我が家にどのような目的のプールをつくるのか、

たのしんでプール計画をして理想のプールを手に入れましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでも参考になればうれしいです。